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「こころサポート」 発刊!
 朝日新聞に「健康カルテ」として,2003年5月から2005年4月まで76回にわたって連載 されたものに加筆、編集したものです。
  執筆者は、仙台いのちの電話研修担当の宮腰孝、大山正博、佐藤静の先生方です。佐藤先生の書かれた「こころの天気ガイド」では、日常生活の中での様々な場面で、どうしたら より良いコミュニケーションが取れるか、気持ちを楽にすることができるかということが、わかりやすく具体的に書かれています。
  こころの天気は、毎日気持ちの良い晴れの日ばかりではなく、曇ったり、雨がふり続いたり、時には暴風雨に見舞われることもあるでしょう。そんな時に、気持ちの持ち方、ものを見る目を変えることで、新しい道が見えたり、楽になれるよう、本のタイトルを 「こころサポート」 としました。


問い合わせ先: 社会福祉法人 仙台いのちの電話事務局   TEL 022-718-4401 FAX 022-718-4431

 

「心配事をポイッ」
 お祭りで綿アメを売っていると、つい買ってしまいます。どこの誰が発明したものなのか、姿形といい、口の中での消え具合といい、実に芸術的なお菓子だといつも感心させられます。なにより作り方がおもしろくて不思議です。円形の機械の真ん中にザラメ砂糖を少量放り込むと、霞(かすみ)のような細くてやわらかい糸がフワフワと周囲に漂い出します。それを割り箸でクルクルとすくい取っていると、だんだんボリュームのある綿アメになってゆきます。それを見ていたら、心配や不安がムクムクとふくらんでゆくところを連想してしまいました。
 綿アメ作りと同じように、私たちの頭の中に小さな心配の種が放りこまれます。そうすると、あんなことになりはしないか、こんなことになったら大変だと不吉な連想の糸がつながってゆき、心配の雲がモヤモヤと漂い出します。それがどんどんふくらんでいって、心配の厚い雲で頭が被われると、周囲が見えなくなってしまいます。綿アメのようにふくらんだ心配の中心で息が詰まり、落ち込んだ気分になってゆくわけです。
 心配の理由が現実的なものであれば、思い切ってそれを明らかにしたり、問題の解決に取り組んだりできます。ところが、自分の力ではどうしようもない心配事や、漠然とした心配は扱いに困ります。そんなことは心配しても無駄だから考えまいとしても、頭の中をしつこくグルグルと回り続けるからです。理屈ではわかっていても、心の方が勝手に動いてしまう感じです。そのために気が滅入ったり、仕事や勉強に集中できなかったりするときには、心の相談が力になれると思います。強い不安に襲われるようなときには医療的なケアが必要な場合がありますから、油断はできません。
 普段の心配性の対策としては次のような方法も役に立つかもしれません。考えてもしょうがない心配の雲が頭の周りにうるさく漂い出したら、イメージ(想像)の中で、それを綿アメのようにクルクルとすくい取って、ポイッと捨ててみるのです。心配が頭をもたげる度に、そのクルクルポイッのイメージを繰り返していると、しだいに心配が薄れてゆくような気がします。私の場合には、綿アメの作り方と心配がふくらむイメージが重なっているので、効果があるのだと思います。オートマチックに立ち上がる困った心の働きをブロックする試みとして紹介してみましたが、消しゴムで消したり、シャワーで流したりと、自分のイメージにぴったりくる方法を工夫してみるとよいと思います。<佐藤静>  

 「こころサポート」より転載

 

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